なんでも書いておこうということで、映画の感想を書きます。
最近はサブスクで映画が気楽に見られて良いですね。
Swallow/スワロウは2019年の映画。
ポスターの配色が私好みで(赤い背景とブルーのセーター)多分好きな映画だろうと思ってたのに見逃してたのでサブスクで見たらやっぱり好きだった。
絵作りが繊細で良いです。綺麗。
そしてこの女優さんが生っぽくてとても良かった。ヘイリー・ベネットっていうのね。ちょっとアジア人っぽい雰囲気の漂う顔がとても好きです。
それにしても。
なんでこの映画が「スリラー」とか「ホラー」ってジャンルにカテゴライズされたのかな。あ。全然違った。
それに、彼女が飲み込んでいたのは「欲望」じゃないと思いましたよ。
異食症という病を軸に
一人の女性が間違ったパートナーと離れ、
自分の生い立ちを受け入れ、
自分の力で歩み出そうとする
女の子応援ストーリーだと思いました。
私はこういうストーリーが好き。
力を奪われた(ように見えた)女性がその力を取り戻し立ち上がるストーリーが。
異食症という病気は、食べ物ではないものを食べたくなってしまう病気。
特に妊娠中に多いとされます(土とかチョークを食べたい、など)。妊娠してなくても貧血の人の中に氷を無償に食べたくなる人がいると言われるように、この衝動、体の中のミネラルバランスが崩れたことによって引き起こされているようです。
調べてみたらホメオパシーの症状の中にも
Lime,slate pencils, clay etc, desire for 石灰や石筆、粘土などを食べたい
Ashes desires, 灰を食べたい
Coal, charcoal desires, 石炭や炭を食べたい
Mud,desires,泥を食べたい
Pencils, desires,鉛筆を食べたい
Sand, desires, 砂を食べたい
などがありました。
異食症のレメディで有名なものの一つがTarent.(タランチュラ)です。
あとCalc.とか。
いつも映画を見るとこの人のレメディはなんだろうなと考えながら見るのですがハンターはなんでしょうね。セッションして深く話を聞いてみたいところです。
彼女の異食症はもっと危ないもの、ビー玉に始まり、画鋲とか虫ピンとか、を飲み込みたい衝動を抑えられなくなっていきます。自傷行為なのね。
彼女にとっての異物は夫だったのかな。
夫というか、結婚生活全て。所謂格差婚。彼女の居場所は何処にもない。そんな違和感だらけの結婚生活、そして想像できる未来が彼女にとって飲み込んで(スワロウして)排泄したい「異物」だったんじゃないかなぁ。
・・でも大事にしてもらえない環境を選んでいるのは紛れもなく本人自身。人は自分は大切にされる資格がないと思いこんでいると大切にしてくれないパートナーを無意識に選んでしまうものなのですね。
でも選んでしまっても大丈夫。
気づいたら終わりにして、やり直せば良いのだから。
彼女の再出発は公衆トイレでした。
豪邸の個室トイレでもがいていたハンターが、最後、公衆トイレで決着をつける流れが、あ、うまいこと描く~って感じで良かった(文章力のなさよ・・)。
その決着を「あぁ、そう決めましたか・・」と少し残念に思った私ですが、でも100%応援したいな。彼女がそう決めたんだもんね。
エンディングは前向きで、清々しささえ感じて。
全女子よ、あなたが選んで良いんだよ!っていうメッセージを受け取りました。
見て良かったです。
繰り返しになるけど、ワンシーンワンシーンがいちいち絵のように綺麗。そしてヘイリー・ベネットの演技が素晴らしかったです。
異物を飲み込むシーンが苦手な人は閲覧注意なのかも。映画好きな友達に強くこの映画をおすすめしたんだけど彼女は途中で見るのをやめてしまった・・残念。私はとても好きでした。
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